「逢いたくば」プロジェクトに寄せて/伊藤俊洋(実行委員長)

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“逢いたくば ”プロジェクトに寄せて

プロジェクト実行委員長 伊藤 俊洋

近年、我々が住む惑星、地球は急速に小さくなりつつある。
情報、物質、人間から病原体までが猛烈なスピードで地球上を駆け巡り、地球上での文明の進化が、人間の想像を遥かに超えるスピードで進んでいるといえる。

進化という言葉は前向きの意味合いが強いが、今の地球上で起こっていることは良いことばかりではない。
戦争、テロ、感染爆発、環境問題、食料、エネルギー問題など、どれをとっても問題は地球規模で起こっており、我々の社会は、一触即発の危機に曝されている。

ここに掲げる“逢いたくば”プロジェクトは、人類が今遭遇している困難な時代背景の中で、人間の本来の心のあり方を蘇らせようとする試みである。
プロジェクトは、写真展、ペーパークラフト展示、音楽の3つの柱で構成されており、その目指すところは、全ての国境、民族、宗教、言語の壁を越えて、地球上に集う全ての人々が心を開き、共感できるイベントを実現しようとするものである。

写真家の八木仁志氏は、私の古くからの友人で、
移民という両国の架け橋となった人たちの今ある姿を写真に写し取り、その歴史の重みを我々の眼前に展開して見せて呉れている。

“逢いたくば、渡りて来いよ虹の橋”(大崎千代枝 作)

この短歌に由来する八木氏の写真展を見たときに、これは紛れも無く時代を越えて歴史に残る作品だと感じた。

広井敏通氏がデザインしたペーパーアートの花風車を、日本とブラジルの子供たちが作成し、七色の花風車で虹の架け橋を創ろうとしている。
およそ3万個もの風車に千の風が吹き渡るとき、その風と風車が奏でる音楽は、きっと人の心を愛と平和の世界へ導いてくれると思う。

プロジェクトのもう1つの柱である“逢いたくば”のテーマ曲作りも進んでいる。
日本を代表するミュージシャンの一人に、世界の人の心を1つに繋ぐ曲の制作を依頼している。
ジョン-レノンと小野ヨーコが創った“イマジン”が反戦平和の歌として長く歌い継がれているが、“逢いたくば”のテーマ曲も、心の深いところで、お互いの立場を思いやり、認め合い、許し合い、人間は一人一人離ればなれの存在でなく、深いところで繋がれた家族であることが理解し合える歌ができれば良いと思っている。

この“逢いたくば”プロジェクトは、先ず、2008年4月から東京、横浜、神戸で開催され、その後、ブラジルのローランジャ市とクリチーバ市で開催される。
さらに、世界中の多くの都市でも開催したいと思っている。

“逢いたくば”プロジェクトは、既に外務省の日伯交流年事業として認定されているが、まだまだヨチヨチ歩きの状態である。
皆様のご支援、ご協力で、大きな大きな社会現象を起こす可能性を秘めていると思う。

相模原在住の写真家が発信した愛と平和のメッセージが、世界へ広がってくれればと願っている。

個人、団体、地域、国家を超えて多くの協賛が得られれば、これに優る喜びはない。


ito.jpg(c)山口勝廣
伊藤 俊洋

(財)北里環境科学センター 理事長

1941年12月 山梨県に生まれる
1964年3月 山梨大学工学部発酵生産学科卒業
1987年4月 北里大学教授
2004年7月 北里大学一般教育部長・副学長
2007年4月 (財)北里環境科学センター理事長
2007年4月 日本油化学会会長
2007年10月 中国瀋陽薬科大学客員教授

主な著書等
油化学便覧 (編・著) 丸善
油化学事典 (編・著) 丸善
生命科学のための基礎化学 無機物理化学編(共訳)丸善
生命科学のための基礎化学 有機・生化学編(共訳)丸善
スタディスキルズ ー 卒研・卒論から博士論文まで, 研究生活サバイバルガイド(共訳)丸善

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